Interview01
技術力で普通ならやり遂げないことをやり遂げる
第2回

2018年2月に開催されたDroidKaigi2018に弊社社員の田岡弘毅がスピーカーとして登壇いたしました。
(スピーカー名 azukinohiroki、テーマ「Host Card Emulationに触ってみる」)
特集第2回の本稿では、田岡が気になっているテクノロジーの話題から、キャリア、エンジニアリングへの想いについてお送りします。
前回の記事「登壇のきっかけ~HCEの展開」はコチラ

気になるテクノロジー

インタビュアー(以下 イ):いろんな情報がある中で必要な情報ってどうやって取得していますか?

H・T(以下 T):基本的にはネットで拾っています。
SNSで技術者同士のやりとりも見るし、ニュースサイトで話題になっているものはチェックするようにしています。
興味が湧いたものについて「これどうなってるの?」って自然に調べていって、少しずつ蓄積しているという感じですね。
特別なチャンネルがあるわけじゃないです。

インタビュアー(以下 イ):そんな中で、今気になっているテクノロジーってありますか?

H・T(以下 T):これも、全然流行ってないし新しいとかじゃないですけど(笑)
僕、通信が好きで、ローレイヤーの通信の仕組みに個人的なテーマを持ってるんです。
Peer-to-peer(以下P2P)で面白いことやりたいなと。
普通一般的に「通信」というと、HTTPとかSSHみたいなアプリケーション層のプロトコルを使うと思いますが、もっとローレイヤー、もうちょっと深いところで端末間の直接通信させたいんですよね。
Wifiとか関係なく、端末同士の電波でやりとりしたいなーと思って(個人で)勉強してるんですけど機能が開放されていないようなものもあって「イマイチ」です(笑)

インタビュアー(以下 イ):アプリ開発の人でそこの低レイヤーに興味ある人って少ないと思っていました。

H・T(以下 T):僕はもともとハードに近い技術に興味があって。組み込みの仕事も多かったのでそれもあるのかもしれないです。

インタビュアー(以下 イ):端末間通信であればBluetoothがあるけど、それでは物足りない感じですか?

H・T(以下 T):そうですね…
BluetoothでのP2Pは作っててもどかしさを感じるところがあって、昔、iOSとAndroid間でP2Pでやり取りするものを作る必要があって、その時はBluetoothを使ったんですけど作ってて「これタダのBluetoothじゃん」ってことになっちゃって、もっとローレイヤーで出来ないかなーと。
その方が面白そうだなってだけなのですけどね。下の方でゴニョゴニョやってみてます。

インタビュアー(以下 イ):そういえば、先日LPWAのセミナーに参加していましたよね?

H・T(以下 T):はい。「メッシュネットワーク」とかそういうのに興味があるんですよ。
中継局を利用したら広範囲のメッシュネットワークが作れるんじゃないかなと思って。
LPWAは携帯電話と直接つながったり出来るわけじゃないですが、上手く利用して個人が持っている携帯電話同士で独自のネットワークが作れないかとか、そういうことを考えています。

キャリア・人の流れ

:技術について、多方面に興味がある田岡さんですが、今後、エンジニアってどういうふうにキャリアアップするのが面白いと思いますか?

T:僕自身は基本的に上流と呼ばれる仕事には興味がなくて、PGとしてプログラムを書いていたいという想いがあります。
「PG35歳定年説」もあったけど、それは年次が上がると部下がついてマネジメントを期待される上に、お給料もマネージャーの方が良いから多くの人がPGを卒業してマネジメント側を目指すっていう普通の企業のこれまでのスタイルがあるからですよね。
これからは、PGでもたくさん稼げるようになるのが理想だと思います。

:というのは具体的にどういったものを評価判断の基準にしていくことになりますか?

T:一回評価が上がったら下がらないというのが日本的だなと感じています。下がるのは懲罰的というか…
評価は上がったり下がったりもっと流動的でもいいのではないかと。
例えば、3月4月は自分が作ったものが5000万円で売れました、でも5月6月は300万円くらいでした。
というのであれば、その都度売り上げた金額に見合う評価になる。という感じです。

:営業でいうインセンティブ制度みたいで面白い発想ですね。
ただ、それって受け入れられるエンジニアって多いと思いますか?

T:個人的にはありかなぁとは思います。
残業代ベースでの給与体系っていうのはエンジニア目線で考えるとちょっとナンセンスかなと。
僕たちエンジニアは椅子に座っているだけでは成果物はできないですし、作ったもので評価されるべきかなと思います。
短時間でたくさん作れる、高い金額で売れるものを作れると待遇が向上する方が、エンジニアのモチベーションとしては正しい方向に向くと思います。

:正しい方向というのは?

T:残業代ベースの場合、言い方を悪くすると「もっと時間をかけた方が(残業代つくので)得じゃん」っていう人も出てくる可能性がありますよね。
そうなると、技術力向上のモチベーションと待遇改善のモチベーションのベクトルが逆方向に向くっていう違和感があるんです。

:なるほど。評価だけでなく、人も流動的になっていくとさらに面白くなりそうですね。

T:エンジニアに関して言えば他の職種よりも人の流れは「ゆるい」方向に来てはいますよね。
良い人はフィールドを移り変わりながら、でもやっていることそのものは変わってないみたいな。

:そうなっているのには、他に何か背景とかあるのでしょうか?

T:昔より開発そのものの敷居が低くなって、予算や人数が小さい規模でも手を出せるようになった。
小さい会社でも腕のいい人たちが活躍できる土台ができてきたというのはあるかも知れないですね。

これからのジャストワーク

:田岡さんが見ているジャストワークの今後ってどんなイメージですか?

T:SES事業もあるので、ここでは飯田橋の開発室だけの話をしますね。
この開発室は元々3名のエンジニアでスタートして、この3名ができることで回して来たっていうイメージがあるんです。
例えば、僕は「ICカード案件」みたいに。
今はメンバーも増えてきていますけど、単純に僕らの焼き増しをしても面白くないと思います。
同じスタイルでスキルアップするのではなくて、その人が興味ある分野をそれぞれ尖らせていって、総合的に何か面白いことができたらいいなと考えています。
それぞれが持っている技術が腐らないようにしていけば、何か案件を依頼された時も「これを加えると、こんな風なものも作れますよ」とアイディアを出すこともできて、より仕事が面白くなると。
技術力で普通なら実現できないことをやり遂げるっていうのがエンジニアの醍醐味だと思うから、この辺りが強いって言われる会社にしていきたいという想いはありますねー。

:尖った人募集ってことですね?

T:そうですね(笑)
「あの会社がいなかったら、これできなかったよね」と言われることをどんどん増やしたいです。

やってみたい仕事

:この会社でやってみたい案件とかってありますか?

T:通信以外だと、モーションキャプチャの研究案件とかきたら面白そうだなーと思います。
入力デバイスの普及ってキーボードからタッチパネルへ、点から平面に進んできたので次は空間的なインターフェースで人とデバイスがつながるようになると思うんです。
センサーの精度はどんどん上がってるし、立体映像なんかも現実化してきていてその分野は未来感があって良いなぁと。
これまではバーチャルをリアルに似せていく感じでしたけど、バーチャルがリアルに食い込んでくるっていう時代になる予感がしています。
そのインターフェース部分に触れられたら面白いと思います。

:映画やアニメーションの世界では描かれているので、実現するのは時間の問題かも知れないですよね。
まだまだ、たくさん聞きたいこともありますが、インタビューはここまでです。
本日は、ありがとうございました。

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